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05

支援員(大森東福祉園)

Profile

No.05
氏名T.S
入職年2019年(中途)
出身学部地理学科卒
所属大森東福祉園
役職支援員

※所属・肩書は取材日(2021年11月26日)のものです

01.大学卒業後の就職について

大学入学にあたっては、元々歴史が好きで地理にも興味があったこともあり、地理学科を選びました。大学卒業後は地元にUターンをして、2年間農業に従事しました。自分がやりたいことを考えたときに、一番しっくりくる仕事が農業だったのです。そして仕事の空き時間を利用してボランティアをしていました。地域の子どもたちにサッカーや体操等運動を教える、という活動です。高校時代は器械体操部でしたので、簡単な技でしたら子どもたちに教えることができます。現在でもたまに利用者さんにバク転や倒立を披露しますが、そのときはとても喜んでもらえます。当時は楽しみながらボランティア活動をしていました。

その活動を通して、子どもたちに何かを伝えることや教えることが楽しいと感じるようになりました。幼稚園教諭免許を取りたい、と目標ができたため、農業を辞めて東京に戻ることにしました。大学通信教育部の幼稚園教員養成コースに編入する傍ら、児童館で学童保育指導員に従事しました。成長期にある子どもたちへの教育ということを幼稚園生だけに限定せず、対象年齢の幅を拡げたいと思ったからです。仕事と大学の単位取得を両立させるのは大変でしたが、仕事の合間に学びを深めていきました。

02.学童保育所勤務の傍ら幼稚園教諭の免許取得

学童保育指導員として初めて受け持ったお子さんの中に、双子の自閉症のお子さんがいました。弟さんの方が障害の程度が重く、支援に戸惑うこともありました。職員同士で話し合いを重ねながら、現場で日々対応を学んでいきました。当初は不安もあり辛いと感じるときもありましたが、半年位かけて徐々に仕事に慣れていくことができました。

目標としていた幼稚園教諭の免許取得のためには2週間の幼稚園実習を2回行う必要があります。そのため、とても残念でしたが学童保育所の仕事を辞め、幼稚園でのアルバイトに切り替え、幼稚園実習を行いました。

1回目の実習は「観察実習」でしたので取り組みやすかったのですが、2回目の「参加実習」には難しさを感じました。一日の流れを組み立てることや時間の配分が学童保育とは異なります。また、普段から子どもたちとの信頼関係を構築できている先生と2週間だけ子どもたちと接する実習生では、子どもたちの反応も変わってきます。指導することの大変さを実感しつつ貴重な体験を経て、晴れて幼稚園教諭免許状を取得することができました。

03.3歳から100歳まで様々な年代の方を支援

幼稚園教諭免許状を取得したことで、その資格を活かせる職場に転職をしました。放課後等デイサービスを中心に多角的な福祉事業を展開している職場です。

新しい職場では放課後等デイサービスの仕事以外に、初めて高齢者を対象にした業務も担いました。未体験のことにチャレンジすることが好きなので、対象が高齢者に変わっても苦にはなりませんでした。

高齢者が健康的な生活を送ることができるように、ダンスのインストラクターとしてダンスを教えました。高齢者は、外出する機会が限られています。自宅以外の場所で楽しみながら運動レッスンをすることは心身に良い刺激となり、認知症予防にもなります。高校時代に趣味でダンスをしていたことがあったので、その経験を活かすことができました。

ダンスの指導だけではなくイベントの企画や、児童レッスンのプラグラムの考案、スタッフの管理等、幅広い業務を経験する中で、完全燃焼することができました。やりきったという達成感と共に、更にステップアップをしたいという想いが膨んできました。

04.大田幸陽会に入職したきっかけ

転職サイトで大田幸陽会の求人をみつけ、「障害者支援」という文言が気になりました。

障害者支援は初めてでしたが、挑戦してみようと思いました。現在の職場である大森東福祉園を見学した際に「ここで働きたい」という気持ちが固まり、当法人に入職を決めました。

未体験の仕事でしたが、これまで教育や福祉の現場で多くの方々をサポートしてきたこともあり、特に不安はありませんでした。現在の仕事内容は、支援員として利用者さんの食事介助や排せつ介助、着替えの手伝い等が中心です。

05.大田幸陽会に入って良かった点

大森東福祉園に入って一番驚いたことは、特に子育て中の女性職員にとって、とても働きやすい環境が整っているということでした。保育園に預けているお子さんの急な発熱等でお迎えの必要が生じた際には、すぐにお迎えにいくことができています。今までの職場では、抜け出してお迎えにいく、ということはなかなか難しい環境にありました。そのため、子育て中の職員を職場全体でバックアップしていく優しい雰囲気にはびっくりしました。人員配置が手厚いことや職員同士の協力体制がしっかりとできていることで、そのような突発的な対応が可能になっています。

また女性だけでなく、男性も有休が取りやすい環境があります。前職まではシフト勤務の職場が多かったので、生活が不規則になりがちでした。当園では土日祝日が休めるため、規則正しい生活が送れるようになりました。土日にしっかりと休めるため、自分のライフスタイルを維持できるところがとても良いと感じています。

最近気にいっている休みの過ごし方があります。せっかくの休みを有効活用したいので、まず朝早く起き、映画鑑賞をして、ジムに行き1時間位トレーングをします。そして本屋さん、次に図書館へ行きます。その後は銭湯に行き、帰宅してからは本を読み、更に映画を観る、といったように1日をフルに使って心身をリフレッシュさせています。

06.キャリアビジョンについて

これまでに幅広い年代の方と接してきました。そして現在は障害をお持ちの方と仕事をしています。どの組織においても、職員の人間関係やコミュニケーションの問題は避けて通れません。経験知が増えるにつれ、働きやすい職場環境はどうあるべきか、ということを考えるようになってきました。今後は、組織の課題解決や組織を組み立てること等、組織の運営面に携わりたい、という気持ちを抱いています。

2年連続で、新卒で入職してきた職員と一緒に働いています。時代の移り変わりや社会環境の変化に伴い、若手職員の考え方にもこれまでとは違った変化がみられます。彼らがより一層働きやすく、そしてより良く伸びていくためには、どういう環境が一番適しているのか、そのような環境を作るためにはどうしたらよいか、ということが常に頭の中にあります。

07.大変だったこと、辛かったことの乗り越え方

昨年1年間、辛いことや様々な葛藤がありました。私は入職したばかりだったのですが、初めて担当したある利用者さんと接する際に、まず何から始めていけばよいのか、ということがわかりませんでした。その利用者さんの性格がまだ理解できておらず、時には気持ちの面でぶつかり合うこともありました。今振り返れば、その方の気持ちを汲んであげられていなかったと思います。利用者さんのやりたいことを私が勝手に当てはめようとしていた部分があったのかもしれません。そのときは、まだ知識や経験が浅かったので、どのように対応していけばよいのかわからずにいました。そこで先輩に相談したところ、先輩が親身になってアドバイスをしてくれました。そのアドバイスをもとに支援を続けていく中で、対応の仕方について腑に落ちることもありました。自分の成長と共に、その利用者さん自身も環境に適応しようと努力を重ねたこともあり、自然と良い関係が築けるようになってきました。

支援の中では考えさせられることも多々ありますが、経験を積む中でたくさんの気づきや学びを得ることができています。そして、周囲の方々の支えや助けがある、ということが自分の中では一番大きかったです。先輩の励ましや助言、利用者さんの成長を目の当たりにできたことで、最初の壁を乗り越えることができました。

新卒で入職した1年目職員のMさんも私に対してよく気を使ってくれていました。「辛いときは休んでくださいね」等と温かい言葉を掛けてくれ、そういったMさんの心配りも働く上では大きな励みになっていました。Mさんも私に相談事を持ち掛けてくれます。Mさんには今後リーダーとしてさらに成長していって欲しいと感じます。そして、次に新卒の職員が入職してきた際には、同じように支えてあげてほしいと思っています。このように職場の皆さんの温かい支えがあって自分が働くことができていることには、日々感謝の気持ちでいっぱいです。

また、当法人では障害者支援において幅広い仕事にチャレンジすることができます。利用者様の人生の一部に携わることができるという点では大変さがありますが、非常にやりがいもあります。

特徴的なのは、未経験の方、無資格の方でも柔軟に受け入れている点です。法人全体をみても中途採用の方も多く、福祉業界以外から転職して来た方もたくさんいます。OJTや研修制度がとても充実していますので福祉未経験者も安心して働くことができます。福祉専攻ではなくても活躍の場が開けていますので、ぜひ大田幸陽会の門戸をたたいてみてください。

08.就活・転職活動中の皆さんへメッセージ

自分の好きなことや趣味が仕事に活かせるときが必ずきます。そういった趣味等を続けていくことが大切だと思います。私の場合は、ダンスの経験を仕事に活かすことができました。これだけは他の人に絶対に負けない、という自分の武器を1つでも持っていることで、仕事上プラスになることがあると思います。皆さんが今できることにチャレンジしてみてください。

仕事の内容は、入職後に徐々に覚えていくことができます。これまでに経験してきたことを活かせる場面は必ずあります。そのチャンスに出会った際には、積極的に発言をしていかれるといいと思います。自分の持っている能力を発揮するために、躊躇せず発言をすることは今後の自分にとって大事になってきます。大田幸陽会に入職した職員は、就活や転職というシーンにおいて、勇気を持って1歩踏み出したことになります。その姿勢は、積極的に発言をすることに通じるものがあると思います。

特に新卒の方に伝えたいのは、コトバを獲得して表現力を身に付けてください、ということです。そのためには本を読んで語彙を増やすことが大切です。また、人と対話をする中で自分の声のトーンやイントネーション、言い回し方法等を学ぶことが必要になってきます。今はSNSのコミュニケーションが盛んですが、文字を「打つ」という作業と、文章を「書く」という作業では、脳へ刺激される箇所も変わってきます。書く作業を通して自分なりのコトバを獲得できるということもあると思います。すぐに身に付けることは難しいスキルですが、そのスキルは必ずや自分の力になり、優位性を持つことに繋がっていきます。ぜひ心に留めてみてください。